【初級~中級】八ヶ岳(根石岳:2603m~硫黄岳:2760m)の冬山をおモッキリ楽しむ! 2019.12.30~2020.1.1
冬山を単独で登山できる。比較的危険な場所が少ないコースなので楽しみました。
年末年始には多くの登山者が訪れます。トレース(踏む跡)もしっかりあり安心。
天候に恵まれたら大パノラマの山頂から『初日の出』間違いなし!
八ヶ岳は太平洋側なので天候には恵まれる方です。しかし、内陸部のため標高2500m森林限界をこえると寒さは半端ではありません。マイナス13~15℃、時にはマイナス20℃になることもあります。晴れていでもキツイ風が吹き顔や指先が痛く感じます。
雪山初心者向けのコースとはいえ、冬山に対応できる装備や雪道をアイゼンで歩く経験が必要です。高山で強烈な風を経験したことがない。風が怖いと思ったら樹林帯の中を歩くコースで無理をせずに下山しましょう。
【コースタイム(日程・天候)】
2019.12.30 雨/曇り
松江;島根県(6:20) ― 岡山駅 ― 名古屋駅 ― 塩尻駅 ― 茅野駅(15:41) ― (送迎) ― 桜平(16:45) ―(歩き) ― 夏沢鉱泉(17:20) 泊
2019.12.31 晴れのち曇り
八ヶ岳中央登山口「夏沢鉱泉:2060m」(7;05) ― オーレン小屋(8;37) ― 夏沢峠:2440m (9;28) ― 箕冠山(みかぶりやま):2590m (10;47) ― 鞍部(根石岳山荘入口) 10;55 ― 根石岳山荘(11:30) 泊
2020.1.1 晴れ
根石岳山荘(8:10) ― 根石岳山荘標識(8:40) ― 根石岳;2603m(9:12) ― 箕冠山(みかぶりやま):2590m (9:24) ― オーレン小屋(10:14) ― 夏沢鉱泉(11:15) ― 夏沢鉱泉でお風呂 ― 出発(12:00) ― (歩き) ― 桜平(12:20) ― (送迎) ― 茅野駅(13:00)
【装備】
ザック・サブザック、登山靴(冬靴)、ザックカバー、ツエルト、アイゼン(12本爪)、ピッケル、ストック、スパッツ(ロング)、ヘッドライト、コンパス、ナイフ、乾電池、細引き(20cm)、ホイッスル、ガスセット、コッヘル、テルモス、コップ、手袋(3本)、帽子,ダウンパーカー(厳冬用)、レインウエア、羽毛服(上下)、フリース、ソックス(3本)、着替え、サングラス、カメラ、行動食(2日分)、地図、スマホ(充電器)、医薬品(自分に必要と思われる物)、その他
※登山時は不必要な物は夏沢鉱泉に預けた※
【宿泊先】
夏沢鉱泉:1泊2食付き(13500円)、お風呂あり、宿泊人数40名、送迎有
根石岳山荘:1泊2食付き(11500円 モンベル会員のカード提示で500円のキャッシュバック)、定員60名
尚、宿泊先の山荘については個別で詳しい記事にします。参考に見てください。
【登山したルートは赤線】
残念ながら、硫黄岳は初日、悪天候・強風で断念!次の日も日程の関係で断念(´;ω;`)ウゥゥ
2019.12.31: 夏沢鉱泉~オウレン小屋~夏沢峠~箕冠山~根石山荘
朝食時に根石岳山荘のスタッフから無線で「根石岳コルの風速20m~25mなので注意してください」と情報が入りました。夏沢鉱泉の長年のスタッフで松本さんからのお話です。
「風は呼吸するから、やんだときに三転確保で前に進むように」でした。
” 風が呼吸する ” 初めて聞く言葉でした! なるほどー
ポッカポッカの山荘を外に出ると凛とした12月の世界。アイゼンを装備して歩きはじめるとキュキュと音をたてる雪道、来たぞ~って感じ! ( ´艸`)
右側の沢沿いを登って行きます。登山道はシッカリとトレース(踏む跡)があるため、単独でも道迷いはありません。ドカドカの降雪がある場合は別ですョ。
しばらくは針葉樹の樹林帯が山稜近くまで続きます。樹々は風で揺れていても登山道は静かな真っ白な世界。緩やかな登りで夏沢峠までは比較的安全な登山道です。途中にある沢沿いに注意する場所はこんな感じ。
登山道はシッカリ整備してあります。歩く時、アイゼンの爪やストックを引っ掛けないように注意すれば大丈夫! アイゼン装備で歩く時は " ガニ股赤ちゃん歩き ” を創造して歩きます。アイゼンの爪を自分の足に引っ掛けると絶対に転ぶ危険性があります。転ぶ場所が不安定だったり危険なところでは命に直結します。樹林帯の安全な登山道でアイゼン装備の歩き方を身につけると良いと思います。
右側の沢まで崩れた場所です。雪の降り方では雪崩れることもあるでしょう? 登山道は安全に歩けました。登山道から沢までも斜度は怖い感じではありませんが注意して速やかに進みましょう。
オーレン小屋の小さな標識があり、右下の沢沿いに小さな小屋が見えてます。そこを横に見ながら登って行きます。
しばらく登り詰めると、今度は左側にポンプ小屋があります。横を通り樹林帯に進みます。夏沢鉱泉に水を運んでいるのでしょうか?
おお~ スヌーピーだネ。 (* ̄▽ ̄)フフフッ♪
背の高い方は頭上注意! 木のトンネルを156㎝の私は中腰で通り抜け。
ここを過ぎると先に平らな樹林帯がしばらく続きます。ルンルンで歩けま~~す。
すると冬季は避難小屋のみの「オーレン小屋;2330m」へトウちゃこ。
冬季は閉鎖していますが左側が避難小屋で空いてます。ここから天候が良ければ硫黄岳の稜線が見えるのです。今日(2019.12.31)はガスで見えませんネ~。
オーレン小屋の避難小屋の様子。モーフも数枚用意してあります。
オーレン小屋から赤岳方面の登山口です。冬季は雪崩の危険、「赤岩の頭」で硫黄岳と赤岳に左右わかれます。硫黄岳には夏沢峠から樹林帯を通り稜線を回って登頂するのをおすすめします。
オーレン小屋から少し登ると夏沢峠(2440m)です。今朝、夏沢鉱泉で風速が20m~25mの情報です。危険と判断して登山は中止!! 反対方向の箕冠山へ向かいます。
ちょっと中断して数年前、硫黄岳登頂した時の様子。
数年前、天候が良く、条件が良い時の硫黄岳(2760m)登頂画像
真っ青な空は「八ヶ岳ブルー」と言います。この時も風速はきつかった!
七つのケルンをクリヤーすると硫黄岳(2760m)頂上。風がめっちゃ冷たいのでホッペが痛く感じました。山頂は広く平らな大々的なパノラマ、八ヶ岳主峰部その奥に富士山、南アルプス、遠くに中央アルプス、北アルプスまで見る事ができます。
では、、、 現実に戻り夏沢峠から箕冠山と根石岳山荘へ
夏沢峠からは天候が悪くなり稜線はガスで全くみえません。風も強まり樹林帯とは別世界。ジャケットのフードをシッカリ止め箕冠山への樹林帯へ急ぎです。
峠にある本沢温泉とヒュッテ夏沢も冬季は閉鎖です。ここのトイレはず~っと離れた場所にあり有料(100円)。最近ではどこの山小屋でも有料ですよネ。
峠からの登りは結構長い、斜度も少々きつくなります。風も強くなり温度も下がってきました。樹林帯で熱いお湯と行動食をしっかり取り、八ヶ岳の冬山に来れたことをあらためて楽しむ。
これからの登山道脇では多くのシャクナゲの木を見かけます。春にはきっと美しい花を咲かせて登山者をいやしてくれるでしょう。今はじ~っと耐えている季節ね
トレースはしっかりあるので大丈夫ですが左サイドは谷側、注意して歩く必要があります。途中ですれ違う登山者の男性が風雪で真っ白になっていました。やはり根石岳は断念したと言ってました。「安部の所はマジ注意です」と教えてくれた。
箕冠山や夏沢峠は八ヶ岳の中央になり、多種の動物が集まる場所のようです。冬に大きなカモシカに出合った時はチョッピリ怖い感じで離れた場所で見ていたら静かにのっそり樹林帯へ消えて行きました。
さて!! これからが大変でした。気持ちを整えて手袋、帽子、ジャケットのフード、念入りに装備して、よっしゃー! 行くぞ~!
ちょっとだけ樹林帯の下りはまだ大丈夫。樹林帯のありがたさを感じる~!
樹林帯を抜けたらマア~ 猛烈な風、そしてガスでホワイトアウト状態です。体を最も低くして三転確保をしっかり取り一歩、一歩と試みて、どうしようか「引き返そうかな?」とマジ思いました。しかし、もう少し頑張れと一歩、一歩進め、鞍部では立つことも許されず難しく、もちろん前に進めません。立ち止まっている時間が長ければその分体の体温も下がって行く! そこで、、
ようし!! ハイハイで四点確保しよう! 地面に山荘までの緑のロープを見つけ、それを頼りに四つんばいで2倍から3倍の時間をかけて山荘見っけ!! ガンバ、ガンバで~~す。山荘に着いた時は真っ白。
根石岳山荘の温かい食堂でホットし、あらためて山荘の有難さを思う。
受付やお部屋の説明・案内を受け、新館の大部屋に落ち着くとなんと!山荘が強風で揺れていた。落ち着いてから旧館に行き昼食のラーメン(1000円)と缶ビール350ml(500円)を堪能する。
根石岳山荘の忘年会はふるまい酒とご馳走、年越しそば、そして歌と談話
大みそかの忘年会が楽しいから、ハイハイでも訪れたのです!
夕食後、午後9時から開宴です。北海道から宮崎県までの約40~50名の宿泊者の自己紹介、冬山は初めてから世界中の山岳ガイドのベテランまでとオペラ歌手の大学先生の指導で歌とお話を楽しむ
30年物の薪ストーブの囲炉裏でポッカポッカの忘年会は夜遅くまで談話は続いてました。
東京オリンピック後、山荘は建て直しの計画があるそうです。土間の山荘を楽しむのも数年かな~。願わくば残してほしい薪ストーブの囲炉裏はマジ いい雰囲気!
2020.1.1:山荘~根石岳~箕冠山~オーレン小屋~夏沢鉱泉~桜平
風はきつく手袋から出す指が数秒で痛く感じます。マイナス11℃~15℃くらい?
2020年は晴れ 初日の出をしっかり見て祈願。
樹林帯の先に箕冠山山頂になります。八ヶ岳の冬を思いっきり楽しみ、来年も来ようかな~。( ´艸`)
このまま下山することに戸惑い、もったない晴天! (´;ω;`)ウゥゥ
この登山道も道迷いはしないようにマーキングテープやロープが張られてます。登ってくる登山者も多いですョ。
この景色を惜しむように振り返りつつ下山。天候に恵まれたら冬山は初めての方もきっとワクワクと楽しい登山になりま~す。
ここから、20~30分かけて桜平まで歩きます。急登な道の下山と沢から流れ出した水が凍っている場所がある時があります。ですからアイゼンは絶対に必要です。宿泊者は送迎車で荷物を運んでもらえ、桜平から茅野駅まで送迎していただけますョ。本当にうれしく費用もかからないので大助かり!
八ヶ岳 冬山の魅力は、、、
八ヶ岳の冬、美濃戸口から赤岳、渋の湯温泉から天狗岳、高見石小屋など単独で歩きました。ここ数年は夏沢鉱泉から硫黄岳、根石岳、根石岳山荘にハマっています。茅野駅からの送迎も大きな要因ですが、山荘のほっこりする雰囲気、スタッフさんのおもてなし、穏やかな樹林帯を独り占めできるそんな感じが好きですね。